薬石花房 幸福薬局


丹参 (たんじん)
シソ科の多年草タンジンSalvia miltiorrhizaの根。
血行を改善する作用があり、婦人科疾患をはじめ、肝炎その他に用いられます。
一般に5〜15グラムを煎じて飲みます。





心臓病の不安から解放

 冬に心臓麻痺で病院に運ばれる人は、昔から多い。そのまま命を落とす人も少なくない。

 官庁に勤める54歳の男性も、十数年前に親しかった伯父を心筋梗塞でなくしている。2月の底冷えのする日だった。いまでも、澄んだ冬の空気を切り裂いて聞こえてくる救急車のサイレンを耳にするたびに、伯父のことを思い出す。

 家系かもしれないが、この男性も心臓が少し弱い。薬を飲むほどではないと医者は言うが、人間ドックで心電図をとると、少し波形に異常があるらしく、いつも要再検査といわれる。

 心臓に激痛が走った経験はまだないが、冷え込んだ冬の朝にちょっと胸が締めつけられるような感じに襲われたことは何度かある。やはり不安である。

 心臓病の予防には何々がよいといった記事を見つけると、必ず目を通す。肉の食べすぎがよくないとあれば、そのとおりにする。運動不足がいけないとあれば、スポーツジムに通う。ココアがいいと聞けば、毎日、寝る前にココアを飲む。しかし、どれも長続きしない。根本的に心臓に不安のない人間になりたい。

 丹参は、中国でポピュラーな、心臓病薬の主薬である。血流を改善する働きが強い。同時に、冠状動脈の血流量を増やしてくれる。虚血性心疾患の改善や、再発予防に効果がある。

 そのほかに丹参には精神安定作用もある。不安、不眠、動悸などに効果がある。漢方の五臓六腑の一つ、「心」には、心臓という意味以外に、脳の思惟活動も含まれる。そのあたりも落ち着けてくれる丹参は、「心」に効く生薬なのである。

 また、通じざれば、すなわち痛むといわれるとおり、気血の流れが滞って生じる狭心痛にも丹参はよい。

 生薬類を自分の体質や体調に合わせ、組み合わせて服用すれば、体質改善が進む。心臓病の予防にもなる。ただし、食生活をはじめとする生活態度を同時に見直さなければ、心疾患に苦しむ危険性は減らない。

エルネオス 2006年1月

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