![]() |
黄耆 (おうぎ) |
|
マメ科キバナオウギAstragalus membranaceus Bge. の根。 気を補い、強壮作用や利水作用が顕著な生薬です。体表(皮膚)の状態を改善します。 一般に9〜15グラムを煎じて飲みます。 多汗症の憂うつ 食品メーカーで営業部長を務める男性の汗との戦いは、早朝から始まる。朝起きて冷たいシャワーを浴び、夜中にかいた汗を洗い流して、ほてった体を冷やす。クーラーをつけた部屋で、汗をかかないようにゆっくりとシャツを着る。朝の時間は慌しい。コーヒーを飲みながらネクタイを締める。 夏場は、いつもより早めに家を出る。スーツの上着を持ち、意を決して外に出るが、すでに太陽は高い。暑いと気づかぬふりをして、そうっと歩いて駅まで行く。せめて木陰を渡り歩きたいところだが、郊外の新興住宅地では焦熱のアスファルトの道を踏み進むしかない。ゆっくりと歩いても、次第に骨の髄から蒸し暑くなってくる。上り坂にさしかかったところで、からだ中の汗腺から蒸した汗があふれ出る。結局、会社に着く時には、シャツもズボンも不快に湿った状態になっている。 汗はそもそも、暑いときに体温を放散して体内の温度を平熱に保ったり、皮膚に適度な湿り気を与えて肌の健康を維持したりする不可欠体液である。しかし、それが多すぎるとうっとうしく、さらに過剰に流れ出ると悩みの種となる。 汗を必要以上にかきやすい体質にはいろいろあり、黄耆は、ちょっと動くと汗がにじみ出るような汗っかきタイプに向く。漢方では、水分とともに「気」が漏れ出ると考える。そういう、いわば毛穴や体表がゆるいタイプに黄耆がいい。 同じ汗の悩みでも、緊張して手足に汗をかくタイプや、のぼせて上半身から汗をかきやすいタイプ、寝汗をよくかくタイプなどには、また別の生薬が効く。 黄耆には強壮作用もあり、いわば「気」を補い、元気をつける生薬の代表選手である。したがってかぜを引きやすい、疲れやすい、だるさがとれない、という人に適する。体力が弱っているために病気を最後まで治しきれないときにも、完治まで後押ししてくれる。ただし、からだを温める作用があるので、炎症が残っている場合は注意を要する。 |
| エルネオス 2005年7月 |
| 生薬トップへ戻る |
| All Rights Reserved. Copyright (c) Kofukuyakkyoku. |