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牽牛子 (けんごし) |
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ヒルガオ科のつる性一年草アサガオ Pharbitis mil などの種子。 逐水・消腫作用があります。 腹水や浮腫、ぜんそく、尿閉症などに用います。 瀉下作用や駆虫作用もあります。 作用が強いので虚弱者、妊婦、老人には用いません。 一般に1.5〜5グラム程度を煎じて服用します。 ちょっと激しい利水・下剤作用 奈良県明日香村の牽牛子塚古墳の隣で出土した石室が話題になっている。牽牛子塚古墳は飛鳥時代の女帝、斉明天皇とその娘、間人皇女の合葬墓だという説が有力。そして石室、越塚御門古墳は、斉明天皇の孫娘で中大兄皇子(天智天皇)の娘、大田皇女の墓だとみられている。大田皇女はのちの天武天皇に嫁ぐが、天皇即位の前に早世したために家族のそばに埋葬されたとされる。 さて、この古墳の名である牽牛子、実は漢方生薬の一つでもある。ヒルガオ科の蔓性一年草アサガオなどの種子を使う。 日本では万葉の昔、今の桔梗のことを朝顔と呼んでいた。しかし、薬用植物としてアサガオが渡来して以降、こちらの植物を朝顔と呼ぶようになった。夜明けとともに大きな花を咲かせ、昼前にはしぼんでしまう色鮮やかな花が朝顔の名を横取りしてしまったのも致し方ないことかもしれない。 中国でのアサガオの生薬名は牽牛。牽牛は七夕の彦星、わし座のアルタイルのことなので、七夕の季節に咲く花として、この名があるのかもしれない。 誰もが知っている朝顔の種に薬効があるとは、この仕事を始めるまで知らなかった。逐水・峻下・駆虫作用がある。逐水・峻下とは激烈な利水・瀉下作用のこと。浮腫や腹水、尿閉、便秘に用いる。作用が強く、大量に服用すると激しい腹痛、水様便、さらに粘血便、血尿、嘔吐などの中毒症状が現れる。ただし児童でも三十グラム(三百粒)以上飲まないと毒性は生じない。誤って一粒飲み込んだくらいでは心配ない。 牽牛子は一般の下剤同様、妊婦には用いない。作用が強いため、老人や体力の衰えている人にも使ってはいけない。 さて、なぜ古墳に牽牛子の名がついているのか。当時の牽牛子は高価な薬であり、古代中国では牛と交換するほどであったので、この名があるともいう。美しく高価で、しかも薬効あらたかな植物が女帝たちのイメージと重なるからであろうか。あるいは、ここに埋葬されたのは、歴史上、皇族にて悲運の女性ばかり三人。その女性たちの死後を、せめて毒性のある薬物で安らかに守ろうという意図もあったのかもしれない。 |
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