薬石花房 幸福薬局


何首烏 (かしゅう)
タデ科の多年草ツルドクダミPolygonum multiflorum の塊根。
滋養作用が強い。
つやのある黒髪をつくる生薬として有名。
一般に9〜15グラムを煎じて服用します。





中高年から衰える髪や肌に

 住宅販売会社の埼玉支店長を務める男性の髪に急に白髪が増え始めたのは、40代になってからだった。50歳を目の前にした今では、もう黒い毛のほうが少ないくらいになった。

 もとからの童顔に白い髪の毛が乗っかっている不調和のせいか、友達からは「お前も苦労しているなあ」とよく言われる。自分ではそれほど苦労しているほうではないと思っているのだが、実際、同期の中で一番白髪が目立つ。

 最近は、脚や腹の肌が乾燥し、痒くなるようになった。とくに風呂上りに痒みがひどくなる。掻くと気持ちがいいのだが、掻き傷が残るし、掻きすぎて血がにじむこともある。なんだか、少しずつ老け込んでいるようで、おもしろくない。

 中国の漢方には、もともと皇帝など権力者の不老長寿を目的として発展してきたという一面がある。これまでの歴史のなかで、さまざまな生薬がそのために供されてきたわけだが、その中でも唐の時代からその妙薬として知られていたもののひとつに、何首烏がある。

 何首烏はツルドクダミの塊状根である。むかし何公なる王の頭(首)の白髪が、これを飲むことにより鳥の羽のように黒くなったという。それで何首烏と呼ばれるようになったという説もある。

 もとより何首烏には滋養強壮効果があるので、老化、足腰の衰え、精神衰弱などの悩みによい。血行調整やコレステロール値を下げる作用もあるので、動脈硬化や高血圧の改善にも役立つ。中高年の便秘や痔にも効果がある。薬酒として使うこともある。

 何首烏は皮膚の乾燥や、じんましん、皮膚掻痒症にもよい。煎じて服用することにより、地肌に内側から栄養が与えられ、乾燥が和らぐ。皮膚の乾燥が落ち着けば、痒みが鎮まる。

 体表を潤す働きが、何首烏にはあるわけだ。毛根には栄養を、肌には潤いをもたらす。その結果、髪は黒くなり、皮膚の乾燥や痒みは消える。年とともに感じる衰えに対する強い味方となる。

エルネオス 2006年3月

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