薬石花房 幸福薬局


甘草 (かんぞう)
マメ科の多年草ウラルカンゾウGlycyrrhiza uralensis などの根および根茎。
健胃作用や滋養作用、消炎作用があります。肝機能改善薬としても用いられます。
一般に3〜6グラムを煎じて服用します。





朝晩の不安な動悸が消えた

 経営コンサルタントを務める50歳の男性の悩みは、このところ頻繁に見舞われる動悸。急に心臓がどきどきと音を立てる。仕事柄、かなり体を酷使して無茶な生活をしてきた。とうとう、そのツケがわが身に回ってきたのだろうか。

 動悸が起きやすいのは夜と朝である。疲れきって家に帰り、風呂に入ってベッドに横になると、どきどきし始める。ひどいときは胸が締めつけられるような不快感を伴う。夜、寝ている間に大変なことになりはしないかと心配になる。

 朝も、目が覚めてすぐ動悸がしてくることがある。起き上がろうと体を動かすと同時に、とんとんとんと速く脈打つこともある。循環器かで心電図などの検査を受けたが、異常はなかった。「単なるストレスでしょう」と言われた。

 ストレスが原因であることは、医師に言われなくても自分でわかっている。そのストレスが動悸という症状になって現れないでほしいのだが。

 ストレスや疲労が心臓に負担となることは多い。漢方の五臓の一つ、「心」には「血脈を司どる」働きがあり、そこには心臓だけでなく循環器系全体の機能が含まれる。また、「心は神を司どる」ともいわれ、心には中枢神経系の機能も含まれる。

 この心の機能が低下すると、動悸・息切れ・胸苦しさ・倦怠無力感などの症状が現れる。体を動かすと、これらが増強されやすい。ひどいと顔色が白っぽくなり、不安感・めまい・冷や汗を伴うことも多い。

 漢方では、このようなタイプの人を「心気虚」の証と呼ぶ。不整脈・狭心症・心筋梗塞・虚血性心疾患によく見られる。こういう場合、漢方では「補益心気」という方法で体質を強化していく。炙甘草はそういう働きが強い生薬だ。

 炙甘草は甘草をあぶったものである。甘草はウラルカンゾウなどの根と根茎を使う。滋養・消炎・止痛・調和・鎮咳作用がある。これをあぶって炙甘草にすると、補気・養心・精神安定作用が強まる。
エルネオス 2006年9月

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