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乾姜 (かんきょう) |
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ショウガ科の多年草ショウガZingiber officinale の根茎。 熱性が強く、体内の冷えによる諸症状、とくに胃腸症状に使われます。 一般に3〜9グラムを煎じて服用します。 冷えたために生じる胃腸の不調に 「もともと冷え症で、寒い季節の寒い地域への出張がつらい。とくに腹痛や下痢など胃腸の症状に悩まされる」 ゼネコンの土木事業本部で部長を務める五十一歳の男性の悩みは、冷えに弱いことである。とくに胃腸の具合がわるくなる。仕事の関係で全国の現場に出向くことが多く、とくに冬の寒冷地への出張がつらい。寒いところにいると、おなかが痛くなり、便意が近くなり、下腹部が張ってくる。屋外だとトイレがなかなか見つからず、苦労する。手足の冷えもひどくなり、つらい。 この男性の証は「脾胃寒証」である。冷えつまり寒邪が脾胃を冷やして諸症状を生じている。胃腸が冷えたために生じる腹痛、下痢、嘔吐のほかに、唾液やよだれが多い、食欲不振などの症状も見られる。原因としては、寒冷な環境や冷たい飲食物のとりすぎなどの外的要因の場合と、もともと冷え症で胃腸が丈夫でない体質の内的要因の場合がある。それぞれ、脾胃実寒、脾胃虚寒という。この男性の場合は、冷え症のうえに寒冷な環境が重なって生じる症状なので、これら両方の要因が重なっている。 こういう場合、漢方では「温中散寒」という方法で寒邪を取り除き、冷え症の体質を改善していく。体を温めて寒邪を除去し、内臓機能・代謝・血液循環を促進させる。「中」は「脾胃」同様、消化器系を指す。 生薬「乾姜」は、この作用が強い生薬のひとつ。ショウガの根茎を乾燥、あるいは蒸した後に乾燥したものを用いる。生のショウガ(生姜)には、発汗させることにより感冒や嘔吐を治す働きがある。それを蒸したり乾燥したりすることにより、体内の冷えによる諸症状を治療する生薬へと変化させる。生姜が体外からの寒邪を発散するのに対し、乾姜は体内の冷えを取り除く。 乾姜には温中散寒以外に、温肺化痰作用もあり、咳嗽や、多量の薄い痰、ぜんそくなどにもよい。補陽作用も強く、腹部だけでなく、下半身や手足の冷えにも使われる。 冒頭の男性も乾姜配合の漢方薬をしばらく飲んで冷え症を根本的に改善し、胃腸の具合を調えていった。これで寒い季節の出張も苦痛でなくなる。 |
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