薬石花房 幸福薬局


熟地黄 (じゅくじおう)
ゴマノハグサ科の多年草アカヤジオウRehmannia glutinosa
またはカイケイジオウR. glutinosa f. hueichingensis の根茎を加工したもの。
体で必要とされる水分や養分を補います。疲労や老化現象などに用います。
一般に9〜30グラムを煎じて飲みます。胃が弱い人の場合は注意が必要です。





めまい・ふらつきが続く

 出版会社で大阪営業部長を務める51歳の男性の悩みは、めまい・ふらつきである。ふらふらと揺れるようなめまいを感じることが、ここ数年多いのだ。

 仕事の要領が悪いせいか、出版という仕事の性格上、仕方のないことなのか、50歳を過ぎても仕事の量は一向に減らない。夜遅くまで帰れない日もあれば、一日中、外を歩き回っている日もある。

 ふらつきやめまいを感じるのは、そういう外回りが続いた日の夕方や、寝る前に横になったとき、あるいは朝起きて立ち上がろうとしたときなどに多い。ぐるぐると回転するというのではなく、ふわふわと頭がふらつくのである。

 ふらつくのは頭だけではない。運動不足もあるのだろうが、下半身の筋肉が衰えているようで、足腰もふらつく。腰が重く、膝がだるい感じだ。

 50を過ぎたあたりから、目も急激に衰えたように思う。老眼が進んだし、目がかすむことが多い。

 かすむといえば髪の毛もそうで、頭のてっぺんあたりがどんどん寂しくなってきた。こんなに働いているのに家庭での存在感もかすむ一方で、ゆったり安らいで全身の倦怠感を癒す場所もない。

 人間、誰でも年をとる。そこに働きすぎや不規則な生活、暴飲暴食、高血圧・高血糖などの慢性的な病気などが重なると、体に蓄えられていた生命力はどんどん浪費され、老化は加速する。

 生命の根本となるものを、漢方では“精”と称する。精は五臓の“腎”に宿る。先の男性のように精がつきたような状態を、“腎精不足”という。

 こういう場合は、“補腎益精”という方法で体質を強化する。熟地黄はその代表的な生薬の一つである。カイケイジオウなどの根茎を酒蒸しにし、天日で乾燥させる工程を繰り返したものを用いる。血糖降下作用や強心作用、肝庇護作用もあり、中高年にはもってこいの生薬だ。

 腎精不足になると、性機能障害や泌尿器系の疾患になることも多い。耳も衰える。老け込む前に養生しておきたい。
エルネオス 2006年10月

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