薬石花房 幸福薬局


茯苓 (ぶくりょう)
サルノコシカケ科マツホドPoria cocos の菌核。
利水作用が顕著で、むくみに用いられます。健胃作用や精神安定作用もあります。
一般に9〜18グラムを煎じて服用します。





心身の湿気を除去して爽快に

 外食チェーン営業部長の51歳の男性の悩みは、体重増加、むくみ、便の不調、尿量減少など多岐に及ぶ。薬局の判断では、体内に余分な水分が停滞しやすい体質だからと言われた。言われてみればどの症状も、体のなかに湿気が溜まっているような不快感を伴う。

 健康診断では、体重が増加ぎみ、血圧がやや高めくらいで治療の必要はないらしく、もちろん病気というわけでもない。しかし、なんだかすっきりしない。

 朝はとくにむくんだ感じが強く、顔がはれぼったい。顔を洗うためにかがむだけで顔が重く感じる。鏡を見ると、ぼやっとふやけた顔がある。体も重い。

 尿の出も悪い。たまにすっきり排尿できるが、そういうときは、顔のむくみもみるみる引いていくように感じる。

 もやもや感は胃にもある。ひどいときには、ちゃぽちゃぽと音がする。胃のあたりがふくれやすい。腸も水っぽい感じで、食後すぐにトイレに行きたくなる。ねとねととした便が出やすい。

 気分も、もやもやとした感じで、なかなか寝つけなかったり、ちょっとした物音や気配で目覚めたりする。

 茯苓は、そんな湿っぽい体質をすっきりとさばく生薬である。正体はアカマツなどの根に寄生するマツホドの菌核である。利水作用が強く、むくみや動悸、めまい、腎炎、膀胱炎、排尿困難などによく効く。

 健胃作用もあり、食欲不振や消化不良にも用いられる。下痢にも効果がある。吐き気や腹部の膨満感にもよい。

 神経を落ち着ける「安神作用」も強く、不眠や動悸、情緒不安定にも使われる。

 茯苓の作用は、血液循環を高めることにより、さらに高まる。これを「気をめぐらせて水を化す」と言う。二日酔いで体が重く、吐き気がして頭が痛いようなときにも、てきめんの効果を現す。

 先の男性も、茯苓配合の漢方処方で体質改善し、心身ともに爽快な日々を迎えている。生命にとって不可欠な水も、流れが悪いと体調に影響する。人もお金も在庫もなんでも、流れが大事なんだなあ。

エルネオス 2006年6月

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