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「摂食障害」を漢方で解き明かす
「体重が増えるのが怖いんです」「もっと体重があったほうがいいということは頭ではわかっているのに、これ以上また太ることが怖くて……」「何かあると、不安で食べずにはいられないんです」……最近、拒食症や過食症で相談にいらっしゃる人が増えています。

きっかけは、親しい人のちょっとした一言や、ダイエット、雑誌やテレビの情報など、さまざまです。「太ることが不安になった。どれくらい食べればいいのか、わからなくなっていった。太ることへの恐怖心を感じるようになった」という人や、「たくさん食べては吐く、また食べては吐く、という行動もするようになった。夜遅くなってから無性に甘いものが欲しくなり、菓子パンをたくさん食べてはトイレで吐く」という、いわゆる過食嘔吐の人もいます。吐いたあとは罪悪感にさいなまれ、とても惨めな気分になります。

みなさん体重や食欲を元の状態に戻したほうがいいことは、頭の半分では理解しているのに、実際の行動とうまく結びつかなくて悩んでおられます。体重に対する恐怖感やこだわり、罪悪感、不安感が心の奥にあり、摂食障害を引き起こしています。

心や気持ちの問題だけでなく、体重が極端に減れば、あきらかに体力が落ちます。貧血、ふらつき、生理不順や無月経などの症状が現れます。胃腸も弱くなり、胃痛、胃もたれ、便秘と下痢を繰り返す人も少なくありません。冷え症も悪化します。寝つきがわるくなり、夜中に目覚めることも増えます。集中力が低下して、仕事や学業に支障が出る場合もあります。

当薬局では、漢方の立場から、摂食障害を「気」の流れのトラブルととらえています。もともと元気な人が、ちょっとしたきっかけなどで摂食障害になっています。ふつうなら気にならないようなちょっとしたことが、どうしてもひっかかる、これが「気」の流れのトラブルです。

気の流れのトラブルには、おもに4つの体質が関係しています。1つ目は「考えすぎ」タイプ。頭で考えすぎて体が追いつかず、ちぐはぐな行動をとり、過食や拒食をしてしまいます。これは漢方でいう五臓六腑の「心(しん)」が弱い体質の人によくみられます。

2つ目は「思い悩みすぎ」タイプ。頭では理解していても、思い悩みすぎて行動につながりません。わかっているのに過食や拒食がやめられないまま時間が過ぎていきます。五臓六腑の「脾」が弱い体質の人に多いようです。

3つ目は「ストレスや環境変化に敏感すぎ」タイプ。ちょっとした日常的とも思える周囲の人との関わりや、仕事でのつまずき、対人関係の疲れ、といった心の中の緊張や波立ちに過敏で、過食などに走ってしまいます。漢方でいう「肝(かん)」が繊細な体質です。

そして4つ目は「気の流れを邪魔するものの存在」。本来スムーズに流れていてほしい気の通り道に、なにか邪魔なものが粘り着いていて、そのせいで気の流れがぎこちなくなり、さらさらと流れず、不安や恐怖にいつまでも追いかけられてしまいます。この体質を漢方では「痰飲(たんいん)」といいます。

ほかにもタイプはありますが、このようなひとりひとりの体質や気質を改善し、丈夫にすることにより、拒食症や過食症といった摂食障害を根本から治していこうというのが漢方です。

西洋医学的には、精神科等での心理カウンセリングや行動療法、抗うつ剤や抗不安薬による治療などがあるようです。漢方薬と併用しても問題ありません。

漢方薬は、体質を改善して気の流れをととのえて、からだの内側、とくに精神面からじっくり根本的に体調を立て直していく薬です。時間がかかるかもしれませんが、漢方で気分をゆるめ、ふつうに食べることが当たり前になりたい、そうお考えの方に、漢方薬は適しています。

よく使われる漢方薬
 
1:五臓六腑の「心(しん)」が弱い体質の人には、当帰、地黄などの生薬を使った漢方処方がよろしいでしょう。

2:五臓六腑の「脾」が弱い体質の人には、人参、大棗などの生薬配合の処方を用います。

3:五臓六腑の「肝(かん)」が繊細な体質の場合は、柴胡、芍薬など、ストレス抵抗性を高める生薬を使った漢方処方で、ストレスや環境変化に強い体質を作っていきます。

4:漢方でいう「痰飲(たんいん)」体質の場合は、茯苓、白朮などの生薬を配合した漢方薬がいいでしょう。気のスムーズな流れの邪魔になっているものを取り除いていきます。
参考症例・エッセイなど
 
以下の症例・エッセイ・関連ページも参考になさってくださいませ。
自分にあった漢方薬に出会うには?
 
自分にあった漢方薬を入手するためには、専門家のカウンセリングを受けるのが第一です。漢方の専門家が、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を処方します。詳しい解説については、こちらをご覧ください。または下記の連絡先まで、お気軽にご相談・お問い合わせください。


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