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⇒参考エッセイ・ショートストーリーはこちら
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喘息患者が増えています。全国に500万人前後いらっしゃるようです。住環境や生活習慣の変化によって喘息の原因となるアレルギー物質が増えていることや、体質そのものがアレルギー体質のかたが年々増えていることが背景にあると思われます。大人になってから喘息にかかる人も増加しています。
32歳の女性で、季節の変わり目を中心に軽い喘息症状が出るというかたがいました。毎日というわけではありませんが、低気圧が近づいているときや電車で強い香水のにおいをかいだときなどに突然咳き込んで止まらなくなり、ヒューヒューという呼吸になります。
この女性の場合は体質的に呼吸器系がもともと弱く、ややアレルギー体質でもありましたので、半夏、陳皮、麻黄、杏仁、桑白皮などの生薬が適していました。軽症のうちに漢方薬で体質改善を始めたため4ヶ月間の服用で症状はまったく出なくなり、その後3年経ちますが経過は順調です。喘息は軽い症状でも長い年数のうちに重症化し慢性化していく可能性が高いので、早目から体質改善などをしたほうがいいでしょう。
喘息は、息がゼイゼイ、ヒューヒューと鳴る喘鳴や、息苦しさ、咳、痰、そしてひどいときには呼吸困難を引き起す苦しい病気です。ハウスダストやダニが原因で引き起される気管支のアレルギー反応だと考えられてきました。しかし近年になって、喘息の症状が出ていないときでも気管支に慢性的な炎症があり、それがさまざまなきっかけで悪化して喘息の発作を引き起していることがわかってきました。
現代医学で喘息が治りにくい病気とされてきたのは、その慢性的な気管支の炎症を放置してきたからだともいわれています。対症療法により気管支を拡張しアレルギー反応を抑制して発作を抑えても、気管支の炎症はそのままです。その点、漢方では古来より漢方薬によるアレルギー体質の改善と並行して、気管支の炎症を和らげる生薬を用いていました。それが喘息の根本的な改善に漢方が有効であるというひとつのポイントかもしれません。
気管支の内側は粘膜でできており、外側は平滑筋でできています。その粘膜が何らかの刺激で炎症を起こしたとき、粘膜がむくみ、痰が分泌され、そのぶん気道が狭くなります。同時に気管支を取り囲む平滑筋が収縮するので気道がますます細くなり、喘息の発作が起こります。
発作の誘引となるのは、ハウスダストやダニ、花粉など明快に把握できる場合ばかりではありません。むしろかぜを引いたときや天候の変化、季節の変わり目、疲れのたまったとき、ストレスがかかっているときなどにも頻繁に発作が起こります。そしてこれらの刺激に反応して発作を起こす根底に、慢性的な気管支粘膜の炎症がある、ととらえるのが昔からの漢方の考え方であり、最近の西洋医学の認識でもあるのです。
喘息のつらさは、息が吸えない、息が吐けない、という苦しさにあります。気道が狭くなっているために吸った息を吐くことができず肺の中に空気がたまって呼吸もままならず、ときに生命の不安さえ感じます。喘息の治療として、発作の治療以外に、体質改善による発作の予防が重要視されるのは、このためです。
35歳の男性の例です。10年来の慢性的な気管支喘息で、気管支拡張剤の吸入と内用薬が手放せません。疲れがたまったり、冷気にふれたりすると、呼吸が苦しくなります。薬の服用をおこたると、喘鳴とともにあえぐように肩で息をするような状態です。横になると呼吸が苦しいために夜中でも起き上がることがあります。
このかたは顔色が悪く手足の冷えもあり、基礎的な体力や抵抗力も衰えている状態でした。熟地黄や黄耆、麦門冬、五味子などの漢方生薬で精力や呼吸器系の機能の改善を続けた結果、一年後には、必要とされる気管支拡張剤の量や服用回数がおよそ半減しています。
漢方ではこのように漢方薬を用いてからだ全体のバランスを整え、心身の調和を図ることにより喘息の根本的な改善を進めます。西洋医学でもなかなか治らないかたに対しても、かなりの効果を感じることもあります。ステロイド内用薬が必要なくなったり、気管支拡張剤の吸入なしで暮らせるようになったりという例もあります。漢方薬により体質そのものを改善し、薬に頼り続けることなく生活ができるようにするのが目標です。
アレルギーの原因となるハウスダストなどを除去して環境を整備しても、アレルギー体質の改善を行わないままでは、喘息は再発を繰り返します。
なお身体を鍛えて喘息発作に打ち勝つ体力づくりをするのがいいという考えもあるようですが、過度の運動はかえって喘息を悪化させることもありますので注意してください。
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西洋医学では、吸入ステロイド剤を用いて気管支の炎症を取り除く治療法が、現在の主流です。またこれとは別に、喘息の発作を抑えるために気管支を広げる気管支拡張剤や、発作を誘発するアレルギー反応を抑える抗アレルギー剤も用いられます。通常はステロイド剤の吸入を行い、発作のときに気管支拡張剤を用いるというのが一般的です。ただし抗アレルギー剤や気管支拡張剤などは、対症療法の薬です。
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痰が白く、微熱が出やすいタイプには資生湯や参苓白朮散、痰が白く、寒がりで尿の回数が多いタイプには真武湯や苓甘姜味辛夏仁湯、痰が切れにくく口が渇きやすいタイプには麦味地黄丸や麦門冬湯、痰が黄色く粘稠で、腹の張りやすいタイプには清金化痰湯や清肺湯、桑白皮湯などの処方を検討するといいでしょう。
なお、以下のエッセイ・ショートストーリーも参考になさって下さいませ。
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