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皮膚・肌の関係 |
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乾癬に悩む四十二歳の男性がいた。七、八年前に急に頭皮がかゆくなり、ふけのように頭から皮膚がぽろぽろと落ちるようになった。初めは頭部のみが赤くかゆかったが、しばらくすると、またたく間に全身に広がり、数カ月後にはからだ全体の皮膚が赤くただれた。診療所で尋常性乾癬と診断された。
大学病院に移り、紫外線による治療を続けた。毎週かよっている。症状は悪化こそしなくなったもののさほど回復もせず、小康状態をたもっている。手を見せてもらうと、手の甲は赤くごわごわしており、爪も白くでこぼこしている。
乾癬は慢性かつ難治性の皮膚疾患である。熱や痛みをともなう場合も多い。欧米に多いとされるが、見た目がよくないためにこの病気で悩む人は少なくない。
治療法としては先の紫外線を用いた光化学療法やステロイド外用薬、また内服薬としてはビタミンA誘導体や免疫抑制剤、ステロイド内用薬などがもちいられる。効果が高いものもあるが、一般に治療をやめると乾癬がふたたび悪化することが多く、西洋医学だけではなかなか治りにくい病気である。
漢方の見地からみると、乾癬の患者には熱をこもらせやすい体質の人が多く、そのような場合は漢方薬で余分な熱をさばく。牡丹皮や黄連などの生薬がいい。また皮膚が乾燥しやすい体質の人も少なくなく、地黄などの生薬でうるおいのある肌をとりもどす。漢方薬で、乾燥しにくく熱をこもらせにくい体質をつくるのである。
先の男性の場合は、漢方薬を飲み始めてすぐに爪の状態に改善がみられた。爪は少しずつじわじわと先のほうへ移動していくので白くにごった部分はそのままであるが、爪の根の部分に新しくできてくる爪がつやつやとなめらかで、健康な状態に近くなった。三カ月もすると、全体的に赤かった手の甲や腕の皮膚も、湿疹のでている部分を残して肌色になってきた。その後、ときに悪化はしたものの、状態に合わせて処方を変えつつ漢方をつづけ、結局二年以上かかったが病院での治療も漢方薬も必要ない状態にまでもっていくことができた。……
(拙著『男のための漢方』(文春新書)より抜粋・一部改訂)
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