-病気・症状別の解説-
(胸・腹・手足の症状)
肩こり・腰痛
26歳の女性で、肩がぱんぱんに張っているかたがいました。仕事はパソコンを長時間にわたり使うことが多く、ずっと座ったままです。あいにく職場ではエアコンの真下に席があり、夏でも体が冷えます。マッサージの効果も感じられず、肩こりが楽になるのは年末年始や夏期休暇など長期に会社を休めるときだという笑うに笑えない状態でした。肩こり以外には生理痛の悩みもありました。
このかたの場合は冷えやストレスによる筋肉の緊張と血行不良が原因です。若い女性の肩こりによく見られるタイプです。漢方薬としては、筋緊張をゆるめる白芍や青皮などの生薬に、血行を改善する紅花や桃仁、冷えを解消するための党参や白朮などの生薬を配合したものを用いました。同時に体を温めるものを積極的に食べてもらいました。職場の冷房やストレスなど肩こりをひどくする環境下での治療でしたが、半年後には生理痛はなくなり、肩こりもあまり気にならないくらいにまで減りました。
血行改善や筋緊張の緩和以外に、乾いて硬くなったスポンジが水を含んで柔らかくなるように、適度な水分で上半身を潤すことにより肩こりを治すこともあります。この場合は生地黄や熟地黄、玄参などの漢方生薬を用います。
腰痛も、とくに病気やきっかけがないのに腰への負担が積み重なって起こる慢性的な腰痛が増えています。上半身の体重を背骨で支える構造になっている人間の宿命ともいわれますが、生活習慣と環境の見直しや、食事と漢方薬による体質改善により、治療や予防、悪化の防止も可能になります。
そもそも脊椎には椎間板などクッションの働きをする組織が存在します。しかし20歳代以降はそのクッションの柔らかさが次第に失われていきます。そこに血行不良や筋肉の緊張、長時間のデスクワークなどによる負担がかかると、慢性的な腰痛になります。
漢方では、肩こり同様に血行を改善したり筋肉の緊張をやわらげたりするほかに、腰痛に対しては杜仲や巴戟天などの生薬で精気を補充して腰を養う、つまり老化防止をすることにより腰痛の緩和に効果をあげています。慢性的な腰痛の根底に老化や過労などの要因が隠されているということでしょう。無理は禁物ですね。
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