-病気・症状別の解説-
(胸・腹・手足の症状)
胃・十二指腸潰瘍
42歳の男性で、胃潰瘍を繰り返すかたがいました。最初に胃潰瘍になってから、かれこれ10年近くになります。胃潰瘍になると病院で胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカー(ガスターなど)や、出すぎた胃酸を中和する制酸剤(マーロックスなど)が処方されます。薬を飲んでいると症状は緩和されますが、根本原因の治療がされているわけではありませんので、薬をやめると再発するの繰り返しです。友人が漢方で胃潰瘍を治したと聞き、今回は漢方を飲むことにしました。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、本来、食物を消化する胃液の強力な消化作用によって、胃または十二指腸自体がおかされる病気です。ストレスや化学的刺激により神経系の興奮や内分泌系の異常反応が起こり、それらが胃粘膜の血流循環に障害を起こして、胃や十二指腸粘膜の抵抗性を低下させ、粘膜自体が胃酸や蛋白質分解酵素の攻撃を受けることにより潰瘍となります。特に精神的ストレスや西洋医薬は胃粘膜の血流循環を傷害しやすく、多発性出血やストレス潰瘍を引き起こします。最近ではピロリ菌の感染による影響も重視されています。
西洋医学では先の男性のように主として対症療法で対応しますので、痛みなどへの即効性はありますが、再発を繰り返します。
漢方では、ひとりひとりの潰瘍の原因を根本から治療し、再発を防ぐことを目的とします。漢方薬には精神的ストレスに対する体の抵抗性を高める働きがあり、またからだ全体の調子を整えてくれますので、潰瘍の根本治療には向いているといえます。免疫力を高めますのでピロリ菌の退治にも効果があります。先の男性の場合も、党参、黄耆、白芍、玉金、莪朮などの生薬を用いて根本治療をし、同時にピロリ菌に対する免疫力を高めました。漢方薬は1年近く服用してもらいましたが、その後は今のところ7年近く再発していません。
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