-病気・症状別の解説-
(アレルギー関係)
アトピー性皮膚炎
アトピーには漢方が効く、といわれることがあります。理由は、西洋医学との治療法の違いにあります。
西洋医学では皮膚炎やかゆみなどの症状を抑える治療はできますが根本治療はできません。したがって治療を不用意に中断すると再発を繰り返します。一方、漢方ではアトピー体質そのものから治療します。そのため、症状が改善されると再発することが少ないのです。薬の副作用やリバウンドの点でも漢方のほうが安全です。ただしアトピー性皮膚炎は漢方でも西洋医学でも、そう簡単に治療できるものではありません。特効薬はありません。大切なのは、両方の医学の特徴を十分理解して治療に当たること、食事などの生活習慣を見直すこと、そしていかにもすぐに効きそうな無責任な情報に左右されないこと、この3点です。
28歳の女性で、約10年前に東京で一人暮らしを始めたころからアトピー性皮膚炎が悪化した人がいました。顔や首にも皮膚炎が生じていますが、仕事をしており人前に出ると気になるので、ステロイド外用薬を使っています。ステロイドは6年ほど前から使用しており、手放せない状態です。顔や首は赤黒く、皮膚が厚くごわごわしています。
このかたの場合は、仕事をしており、また女性であることもあり、ステロイドを使いながら漢方薬を始めることにしました。皮膚炎を今の状態から悪化させないまま体質を改善し、ステロイドの使用量を少しずつ減らしていく方針です。漢方薬は、皮膚にまで水分を運ぶ働きのある生地黄や麦門冬に、皮膚に存在する熱を冷ますための地骨皮や牡丹皮などの生薬を煎じてもらいました。生活改善としては、大好きなチョコレートと牛乳を我慢してもらいました。最初のうちは炎症をしずめるために黄ゴンや石膏などの生薬も服用してもらいました。
現在3年ほど経ちましたが、皮膚のごわごわもなくなり、赤黒かった色も消えました。ここ2年はステロイドを塗ることはほとんどなく、保湿剤として馬油のみを必要に応じて塗るだけでコントロールできる状態になりました。まだ乾燥や発汗、あるいは寝不足や過労時に少し皮膚がかゆくなりますが、漢方薬も当初よりもかなり少量の服用で済んでいます。
もうひとつ、子どもの例です。3歳の女の子です。この子は生まれてすぐに皮膚炎になり、ほっぺを中心に顔全体が赤くただれていました。今では顔よりも肘や膝の内側がひどく、寝るときや夜中に無意識に掻くために出血も目立ちます。皮膚炎の出ていない背中などの皮膚も、ざらざらしています。
この子の場合は食欲に片寄りがあり、便が柔らかくねっとりしているなど、消化器系の問題もありましたので、おなかから丈夫にして皮膚を強くする方法をとりました。漢方生薬は参鬚尖や茯苓やヨク苡仁を飲んでもらいました。この子は約1年で完全に治り、漢方薬も必要なくなりました。
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