薬石花房 幸福薬局
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美容と中医学


会社の健康診断ではいつも「異常なし」なのに、何となく調子が悪い。元気が出ない。倦怠感、食欲不振など気になるのに、検査をしても問題ない。こういう人たちは、意外と多い。
病院の検査技術は大変高度であり信頼できるものではあるが、それでもすべての疾患を見つけだすのは無理だし、まして「未病」つまり半健康状態を指摘することは不可能なのである。
44歳、男性。大手銀行の副支店長。最近疲れやすく、何かと気力に欠ける。朝起きにくく、日中眠くなる。家族や友人からも元気がない、口数が減ったと言われる。鏡を見ると顔色もよくない。家系に癌患者がいるので気になって病院で検査を受けたが、まったく異常はなかった。
こういう症状は中医学の「気虚」に当たる。「気」は生命エネルギーのことで、「虚」は不足を意味する。したがって「気虚」とは生命エネルギーの不足、つまり全身の機能・抵抗力・代謝などの低下を意味する。声が小さく張りのない人に多く、舌が白っぽく厚ぼったい。



「気」には両親から頂いた生命エネルギーと、食事などから摂取する栄養の2種類がある。前者を「先天の気」、後者を「後天の気」と呼ぶ。両者の働きで、子供は成長発育し、大人は生命を維持できる。
先の例のように成人以降に気虚の症状が現れる場合は、「後天の気」が不足しているケースが多い。消化・吸収・代謝能力が弱くなると、せっかく摂取した食べ物に含まれる栄養物質が身に付かない。お腹の機能が弱まると「後天の気」が生成されず、気虚の状態になるというわけだ。



お腹の機能を元気づけるには、朝食をしっかり食べる習慣をつけるとよい。朝その日のエネルギー源となる食物を摂り、即その日の仕事や活動に活用する。頭脳労働には特に良質の蛋白質と糖分が必要となるので、豆腐や納豆などの大豆蛋白や玄米、山芋、ジャガイモのでんぷん質をしっかり摂るようにする。

昼食や夕食、特に夕食は胃に負担が少なくなるように、消化のよい刺激の少ないものを食べる。胃腸も日中働いてもらい、夜間は休んでもらうようにする。

胃腸は精神的ストレスの影響も受けやすい。胃炎、胃潰瘍の70%はストレスが原因とも言われている。趣味や余暇、運動などを生活に取り入れてストレスを溜め込まないよう各自工夫してほしい。たとえば趣味の読書とナイトキャップの一杯など、量を超さなければ胃への負担も少なく、ストレスの解放に好ましい。



肺の中には肺胞と呼ばれる小部屋が無数にある。呼吸した空気は喉から気管に入り、左右の気管支に分かれ、次々と枝分かれして肺胞に至る。そして肺胞の壁で空気中の酸素と血液中の二酸化炭素とが交換される。
呼吸が浅いと新鮮な空気がなかなか肺胞まで入ってこられない。当然交換される酸素量は少なくなる。
食物から吸収された栄養物質は、酸素による分解代謝を経て始めて生命活動に必要なエネルギー源となる。したがって血液中の酸素量が充分でないと、せっかく吸収した栄養物質も不完全燃焼となり、身に付かない。深い呼吸をして始めて栄養は「後天の気」となるわけだ。
深い呼吸には腹式呼吸がよい。浅い呼吸と比べて約3倍も効率がよい。方法は、ヨガでも丹田呼吸法でも自分に合いそうな入門書を見てもらえばよい。参考までに幸福薬局で指導している呼吸法は、まとめると以下の通り。
場所は通勤電車の中でも寝る前のベッドの上でも構わない。腹筋に力を入れ、肩の力を抜く。立ったままでも座っても寝てもよい。頭頂を引っ張られるイメージでせすじ背筋を伸ばし、顔の筋肉を緩め、肛門をキュッと締める。その姿勢で横隔膜を上げて肺の中の空気を全部出す。出し切った後横隔膜の力を緩めて縮んだ肺胞に新鮮な空気を流し込む。以上を力まずに、ゆっくりと繰り返す。



気虚の状態で栄養ドリンクを飲んでも、元気は出ない。栄養物を胃に流し込んでも、気虚の人は消化・吸収機能が弱いからそれを吸収できないのだ。気虚の原因はもっと体の根源にある。
中医学では気を補う生薬や、消化・吸収を促進する生薬を用いて体質から改善していく。それらの生薬は種類が多いので、漢方薬局で相談して選ぶとよい。
代表的な生薬は人参。ウコギ科人参の根。高麗人参、朝鮮人参ともいう。滋養強壮作用が強く、消化吸収・代謝機能を高める。気虚を回復させる力が強力にある。毎日1〜9グラムを煎じて飲む。


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