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自分にあった漢方薬に出会うには?

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アレルギー「体質」の人や、アトピー「体質」の人が増えています。父親がアレルギーだから、わたしもアレルギー、というように、体質は親から子へと遺伝する場合も多く見かけられますが、そうでないケースもよくあります。たとえば親がアトピーでなくても子どもが後天的にアトピーになる、というケースは少なくありません。花粉症もアレルギーの一種ですが、それまではアレルギーなど自分とは関係ないと思っていたのに、ある年から急に花粉症に悩まされるようになる人がたくさんいます。「体質」というものは、ずっと同じで変わらないものではなく、毎日の生活習慣の積み重ねで変化するものです。ですからアトピー性皮膚炎の人や花粉症の人が、時代とともに増えているのです。

これはアレルギー体質についての話ですが、それ以外の、たとえば敏感肌や乾燥肌の「体質」についても同じです。同じ化粧品を使っていても、あるときから急に肌に合わなくなって化粧かぶれを起こしやすくなったり、ある年の冬から皮膚の乾燥やかさかさが急に気になるようになったり、という人は少なからずいます。思春期からすっかり脂性の「体質」になったという人も多いでしょう。太りやすい「体質」というのもあります。とくに食生活などが変わったわけではないのに40歳前後から体重が落ちにくくなった、という女性は結構多いものです。体質は、生活習慣だけでなく、年齢によっても変化します。

このように「体質」は、親から遺伝する場合もありますが、親の体質とは関係なく、生まれてからの生活のなかで新たに作り出される場合も多くある、といえます。

――体質を悪化させる要因は何かしら。

漢方の視点からみると、体質を変化させる要因はおもに以下の三点です。

@「気」や「血」の流れと量の問題
A臓腑機能の低下
Bバランスの失調

くわしくは前号にてお話しました。

体質の悪化は、慢性的な病気の主要な原因です。病気ではなくても、乾燥肌や脂性肌、敏感肌、髪の質の悪化、肩こり、太りやすい、などの症状も、体質の変化が根本にあります。

――漢方ではどうとらえるのかしら。

人のからだは絶妙なバランスのもとに健康を維持しています。

ひとつは体内のバランスです。人体は、五臓六腑という臓腑で成り立っており、そしてその中を気、血、津液というものが流れています。これらはお互いに影響しあって平衡状態にあります。もし気や血の流れがわるくなったり臓腑の機能が衰えたりすると、先の@からBのような状態になり、体質が悪化します。

もうひとつのバランスは、人体と外界環境とのあいだのバランスです。気温や湿度の変化、あるいは日光の紫外線の量などに対応して、人は汗をかいたり日焼けをしたりして均衡を保ちます。この外界とのバランスが崩れたときも、私たちのからだは刺激に負けて体調をくずします。

このように人体は、からだの中と、からだの外、このふたつの局面で自らバランスをとりながら健康を維持しています。多少のバランス変化に対しては自力で調節できますし、一時的に大きな刺激が加わった場合も、そのときは体調をくずすものの、しばらくするとまたもとの平衡状態に戻ることができます。しかし生活習慣の変化などにより長期にわたってバランスを崩そうとする力が働き続けた場合は、この相対的な平衡状態が破壊され、自力で調節し修復することもかなわなくなり、体質の変化へとつながっていきます。

漢方では、この体質変化の原因を「内因」、「外因」とよんでいます。内因とは臓腑機能の失調や気血の流れの悪化という体内の原因、外因とは環境変化や刺激という外界の原因をさします。

漢方では、慢性病などの病気が発生する根本的な「原因」は内因にあり、外因は単なる「引き金」であると考えています。空気の乾燥、スギ花粉の飛来、過度の冷房、暴飲暴食など外界からの刺激があっても病気や症状が生じる人と生じない人がいます。それは、その人の内因がどのような状態かということにかかっているのです。内因がない人は、スギ花粉に見舞われてもくしゃみや目のかゆみに苦しむことはありません。一方、内因がたくさん存在する人は、ちょっとした花粉の刺激で鼻水が止めどなく流れ出ることになります。

この内因こそが体質悪化の主要要因です。ですから、内因をため込まないことが、慢性的な病気の予防の秘訣です。さらに、乾燥肌、脂性肌、にきび、赤ら顔、抜け毛などの美容面でのトラブル防止や、冷え症、肩こり、生理痛や生理不順など女性に多い病気の予防にも、大切なことです。

内因は、先天的な虚弱体質や発育不良は別として、先の@からB、つまり気血の失調や臓腑機能の低下に結びつく場合が一般的です。
そういうアンバランスが続くことにより体質そのものが変化する、あるいはちょっとした刺激によって病気に発展していく、といえます。

内因を生じさせるのは、やはり日ごろの生活習慣です。まず暴飲暴食、偏食、過度の飲酒などの不摂生は、どうしても気血の流れや臓腑機能への負担になります。また厳しい労働条件や、快適でない生活環境、運動不足、大病や出産、手術などもそうです。

もうひとつ、精神的な要因も大きな影響を与えます。精神的な緊張や情緒的な変化が、過度になったり長期間持続したりすると、臓腑間の失調を引き起こして病気を発生させます。精神的な病気ばかりではなく、肉体的な疾患の原因ともなります。このように精神的なストレスが病気の原因となる場合、これを「内傷」といいます。おもな感情として、怒り、喜び、思い悩み、憂い、悲しみ、恐れ、驚きの七つがありますので、「内傷七情」ともいいます。

――その内因という素地があって、そこから病気が生じるというわけね。

そうです。そのままバランスを崩して病気になる場合もありますし、あるいはそのアンバランスから邪気が生じて病変につながる場合もあります。

体内で生じる邪気には、内風、内寒、内湿、内燥、内熱の五つがあり、これを「内生五邪(ないせいごじゃ)」といいます。漢方薬局などでカウンセリングを受けると「あなたには熱がこもっている」とか「その病気の原因は冷えにある」などと言われることがあると思いますが、それらは内熱や内寒のことです。

漢方薬は体質を改善する薬ともいわれるとおり、ひとりひとりの体質つまり内因や臓腑のアンバランスに対し、それを是正する作用の強い生薬でそれらを回復させ、病気や症状の根本的な改善をしています。

今回はやや複雑な漢方理論の話もでてきましたので、最後に簡単にまとめておきます。左右にゆれる天秤を想像してください。これが人体のバランスとします。ここでたとえば右の天秤皿をちょんと押したとき、天秤は右に傾きます。しかし手を離すと天秤は左右にゆれながら平衡を保ちます。このなめらかな状態が、人体でいえば健康な状態です。

しかしいつも右の天秤皿にばかり刺激を加えていると、天秤のバランス感覚がくずれます。右に傾いたままの状態です。機械の天秤は簡単に調整が利きますが、人体ではそうはいきません。傾いた状態で落ち着いてしまいます。これが内因です。体質の悪化につながります。ここにさらに刺激が加わると、慢性的な病気や症状が発生します。右の天秤皿がさらに傾く場合もありますし、内生五邪が生じる場合もあります。

肌のトラブルや婦人科系の病気についても同じです。薬を塗ったり飲んだりしても、症状は一時的には緩和されますが、また再発するでしょう。そういう場合は、必ず根本に体質の悪化、つまり内因の存在があります。これを機会に生活習慣を改め、漢方薬で内因を除去してはいかがでしょうか。

拙著『漢方美人レシピ』(光文社知恵の森文庫)にも、食生活を中心に、毎日の生活習慣のチェックポイントをまとめておきましたので、参考にしてください。

自分にあった漢方薬に出会うには?

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★ 漢方道・四つの必殺技 ★

  1. 「補う」
    足りない元気や潤いは、漢方薬で補いましょう。
  2. 「捨てる」
    体にたまった余分なものは、漢方薬で捨てましょう。
  3. 「サラサラ流す」
    漢方の力で血液や気をサラサラ流し、キレイな体内を維持しましょう。
  4. 「バランスを整える」
    内臓機能のバランス・心身のバランス・ホルモンのバランス・・・漢方の得意技はバランスの調整にあり。


● 今月の美肌薬膳はこれだ! ●

『しめじとアスパラのマリネ 』

材料(2人分):
しめじ 1パック (小房に分ける)
アスパラ 4〜5本 (固いところの皮をむき、2cmに切る)
オリーブ油 80cc
にんにく 1かけ(みじん切り)
とうがらし 1本
塩 小さじ1弱
ワインビネガーまたはレモン汁 小さじ2

作り方:
@ しめじとアスパラに小麦粉(分量外)をまぶし、オリーブ油(分量外)でカラリと揚げ焼きにし、油をきっておく。
A 別の鍋に分量のオリーブ油、にんにく、とうがらしを入れ、火にかける。油が熱くなり、香りがたってきたら、にんにくが焦げないうちに火を止める。
B Aの粗熱がとれたら塩とワインビネガー(またはレモン汁)を加える。
C @を熱いうちに保存びんに入れ、Bを注ぎいれる。
D びんにふたをして、軽く振って全体をなじませる。

●オリーブ油にニンニク、トウガラシという絶妙の組み合わせに野菜のうま味を封じこめて!

(2005月8月号)


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