薬石花房 幸福薬局
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美容と中医学
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7. 美容の敵、花粉症対策
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9. 美人の基盤は、まず食べものから
10. しっかり眠ってよみがえる素肌
11. ダイエットの失敗を繰り返さない
12. シミ対策
13. 汗の悩み
14. 夏バテ知らずは、肌荒れ知らず
15. きれいな素肌は、胃腸から
16. 安定したホルモンバランスをゲット
17. 薬膳について
18. 自分に合った食べ方を
19. 漢方的スローライフへの布石
20. 花粉症の根本的改善
21. 漢方で、ストレスに強くなる
22. 月経前症候群
23. がんこな「にきび」のタイプ別根治法
24. 髪の毛のトラブル
25. 眼精疲労
26. 便秘
27. 毛穴の悩み
28. むくみ
29. 乾燥肌・敏感肌
30. アトピー性皮膚炎(1)
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32. 皮膚と漢方
33. 皮膚と気・血・津液
34. 内臓と美肌
35. 幸福薬局の
『短期間少食法』
36. 美肌と体質
37. 肌のトラブルと体質
38. 膀胱炎
漢方道のいいところは、困った病気や症状を一時的に抑えるのではなく、体の内側から、根本的に改善してしまえ、というところ。たとえば湿疹やにきびに対して、塗り薬で症状を抑えてすごすのではなく、湿疹やにきびの原因をちゃんとからだの中のバランスの不調に求めて、その部分からしっかりと整えていこう、という姿勢です。塗ればすぐに赤みやかゆみが消える塗り薬、飲めばすぐに痛みがおさまる錠剤、それはそれで便利で助かりますが、そうではなく、ちゃんと病気の根本原因から見直して、きれいなからだに戻したい、そんなときに漢方道が役に立ちます。

ただしそれには少し時間がかかります。湿疹用の外用薬や痛み止めの鎮痛剤のように、塗ったり飲んだりしてすぐに症状が緩和されるというものではありません。あるていど時間が必要です。でも漢方は、湿疹やかゆみや痛みの根本原因をからだの中から改善していきますので、漢方で症状がやわらいできたときには、からだの中からきれいになってきている証拠です。塗り薬をいつまでも手放せないとか、生理のたびに鎮痛剤を飲むとか、そういうことも少なくなるでしょう。

湿疹やにきび、生理痛は、たまたま皮膚のぶつぶつや赤み、あるいは痛みとして自覚できるようになった病気ではありますが、その奥には、体調の不良や抵抗力、免疫力の低下、疲労の蓄積、ストレスの荷重、暴飲暴食、不規則な生活など、そのもととなった根本原因がかくされています。それを、表面的に症状を抑えることでやり過ごすのももちろんひとつの方法ですが、からだの内側からきちっと改善しておこうというのが漢方です。

湿疹や生理痛ばかりでなく、うつ症状や自律神経失調症なども同じです。抗うつ剤や安定剤、抗不安薬や睡眠導入剤でやり過ごすことが必要な場合もありますが、時間をかけてでももとの安定した精神状態をとりかえそうと試みることも大切ではないかと思います。
このように、時間はかかってもいいから自分のからだを大事にあつかいたい、あるいは、からだの中からきれいになりたいという、このような生活態度を「漢方的スローライフ」とよびたいと思います。

漢方的スローライフを生活にとりいれる場合、あるいは漢方薬を実際に飲む場合、漢方の理論や基礎知識を知っていると知っていないとでは大きなちがいがあります。そのごく基本的なことについて、少し知っておきましょう。

――漢方的スローライフを身につけるには、どうすればいいのかしら。

ポイントは三点あります。ひとつ目は「意識」の持ち方です。自分のからだに生まれつき備わっている生命力を最大限に発揮して根本から体調を整えるのだ、という意識がまず大切です。たとえばお肌のトラブルに対しても、それを肌だけの問題として軽く見るのではなく、からだ全体の調子を整えて、体の中からきれいな肌を取りもどそうという意識が必要です。表面的に対処しても、もとの根本原因が変わらなければ、再発を繰り返します。

食事においても、ただ単にたんぱく質や脂肪、炭水化物などの栄養バランスがよければそれでいい、というのではありません。食材の気をいただく、楽しく食事をする、感謝の気持ちを忘れない、など、いわば人間として当たり前の気持ちを持ち続ける意識があれば、栄養の身につき方もちがってくるものです。楽しく食事をしたほうが消化吸収効率が高いという報告もあります。

西洋文明は、ものごとの物質的な側面をあまりに重視するあまり、情緒的、道徳的な規範を忘れがちです。しかしわたしたちは単なる肉のかたまりではなく、心をもった人間です。細胞ひとつひとつは、理想と現実の区別がつかないともいいます。生きがい、感動、笑いなどポジティブな心の働きが免疫力を高めるともいわれています。気の持ちようで、心身の安定が大きく左右されます。そういう、現代科学では軽視されがちではありますが人間として重要な側面をも大切にしていくことが求められています。 プラセボ効果というのをご存知でしょうか。たとえば医者から「これは血圧をさげる薬ですよ」と言われて薬の投与を受ける、ただしその薬は乳糖やでんぷんでできており、血圧をさげる作用はない、しかしそれを降圧剤だと信じて飲むと実際に血圧が下がってしまう、という効果です。プラシーボ効果、あるいは偽薬効果ともいいます。

プラセボ効果は実際に3割程度あるとの報告もあり、注目されています。よし、病気を治してやる、病気が治ってきた、という気持ちになれば、われわれのからだに備わっている自然治癒力が働き出す、ということです。

「意識」が変われば、からだも変わります。

ふたつ目は「環境」です。職場の環境、人間関係、家庭の環境、住まいの環境、そのような環境も、そこで生活する人の健康に大きな影響を与えます。

尊敬できる人たちに囲まれ、あたたかい人間関係に恵まれて好きな仕事を好きなペースですすめる、自宅は自宅で広々としており家族はやさしく、まわりを自然に囲まれていて空気も水もおいしくて快適、さらに自宅から都会は近くて便利で不自由はなく、通勤も楽である……、これだとストレスもなく、すばらしい環境です。でも、こんな人はまず、いません。

――ではどうすればいいのかしら。

それは、あたえられた環境を笑顔で甘受すること、そして自分で変えられる部分は自分で改善していくことです。自分がおかれた環境をなげくよりは、それを受け入れて、よりよい方向へ変えていくほうがいいでしょう。

仕事や生活の必要上さけられない要因ももちろんあるでしょうが、休日を利用するなどして、自らの環境を改善していける部分は少なくありません。

たとえば仕事の関係で、ストレスのかかる人間関係を維持しなければならない場合、週末には気のおけない仲間とリラックスした時間をすごす、あるいは平日でも日ごとにストレスが蓄積しないような人間関係つまり親友との付き合いを大切にするなど、自分から自分の環境を築き上げる余地はたくさんあります。

住環境たとえば大気の問題にしても、空気清浄機の検討や、休日の遠出などで少しでも環境のよい状態に自分を置くだけでも、なにもしないで悩んでいるよりははるかに効果的です。

仕事で忙しくてそんな時間がとれないときこそ、そのような時間をつくりだす必要が高いのです。精神衛生面での環境、物理的な環境、いずれの環境でも、自分で改善できる部分はあると思います。

「環境」が変われば、からだも変わります。

三つ目は「生活習慣」です。食べものと呼吸、運動、そして生活のリズムをつくることが要となります。食べることも、息をすることも、生きているうちはずっと続けることです。この営みの中で、できるだけ自分に合ったものを取り入れることが重要です。毎日の積み重ねが健康状態に大きく影響してきます。

食べものについては本連載でもふれることが多いので、ここでは生活のリズムについて考えます。

大自然にはさまざまなリズムがあります。一日24時間の中での昼と夜のリズム、一年365日の中での四季のリズムなどです。脈拍や呼吸にもリズムがあります。そして生きものはそのリズムに合わせて生きています。安定したリズムのもとでは生物の機能も安定します。精神的にも落ち着きます。

昼夜のリズムや四季のリズムは太陽など天体が作り出してくれますが、朝おきる時間や夜ねる時間は自分で決めて実行しなくてはなりません。からだを動かす動的な時間と、ゆっくりすごす静的な時間もあるていど決めておくといいという専門家もいます。毎日の生活、一週間のサイクルなどに適度なリズムがあれば、からだに余分なストレスを与えることもなく、わけもなく精神的に不安定になることもありません。そういう意味では、生活のリズムは何よりも大切です。

基盤は、起床と就寝の時刻、そして食事を取る時刻です。覚醒する時間、休む時間、食べものの消化吸収をする時間が毎日、安定してやってくれば、それだけで心身に生気がめぐり、自然治癒力が高まります。

とくに夜更かしには問題が多く、生活習慣病やアレルギー性疾患との関係が深いとの報告もあります。とくに子どもの夜更かしと上記の疾患との相関関係については統計的にも指摘されており、問題視する専門家も少なくありません。大人にとっても同様のことがいえるでしょう。

リズムを無視して経済的合理性を求め、極限まで無駄を省くと、ゆとりや遊びがなくなります。そうなるとストレスにすぐ耐えられなくなるのです。

生活のリズムの安定は、心のゆとりを生みます。からだの機能にもゆとりが生まれ、その結果、生まれながら備わっている自然治癒力が高まります。

「生活習慣」が変われば、からだも変わります。

漢方的スローライフの目的は、生まれつき私たちのからだに備わっている生命力や自然治癒力を高めて心身の健康を維持し、病気の場合も、スローライフで体調を整え体質を改善することにより、その根本原因を取り除いていくことです。

29歳のある女性の悩みは、軽いうつ症状と抜け毛です。不規則な生活がつづいており、仕事や職場の人間関係のことが頭から離れません。ここのところ疲れがとれず、何に対しても意欲がわきません。さらにここ1〜2年でずいぶん髪がうすくなりました。頭皮に柔軟性がなく、つっぱった感じがあります。白髪はありません。

このかたの場合は、気と血の量が少なくなったのが原因のようです。漢方道の「補う」(必殺技1)力の強い、党参、黄耆、当帰など生薬をもちいて気と血を補います。また延胡索、枳実、木香など「サラサラ流す」(必殺技3)生薬も配合して、効果を高めます。さらに流れを悪くしているものを「捨てる」(必殺技2)生薬の天南星も配合します。もちろん漢方薬と並行して、漢方的スローライフを実践してもらいました。

その結果、このかたは5ヵ月ほどで、もとの元気と笑顔、そして、はりのある頭髪をとりもどしました。スローライフに対する理解がなかったら、もっと時間がかかっていたことでしょう。


★ 漢方道・四つの必殺技 ★

  1. 「補う」
    足りない元気や潤いは、漢方薬で補いましょう。
  2. 「捨てる」
    体にたまった余分なものは、漢方薬で捨てましょう。
  3. 「サラサラ流す」
    漢方の力で血液や気をサラサラ流し、キレイな体内を維持しましょう。
  4. 「バランスを整える」
    内臓機能のバランス・心身のバランス・ホルモンのバランス・・・漢方の得意技はバランスの調整にあり。


● 今月の美肌薬膳はこれだ! ●

『冬野菜のクリームスパゲティー 』

材料(2人分):
スパゲティー 200g ベーコン 80g
白菜 大きめの葉2枚
カブ 大1個
タマネギ (みじん切り)1/4個分
バター 大さじ1杯
小麦粉 大さじ1杯
牛乳 2カップ
塩・コショウ、生クリーム 適宜

作り方:
1.白菜の白い部分、カブはマッチ棒より太めの棒状に切っておく。ベーコンも同じくらいの大きさに切っておく。白菜の緑の部分はざく切りにする。
2.フライパンにバターを溶かし、ベーコンとタマネギを炒める。
3.タマネギが透き通ったら、白菜とカブを加えて炒める。
4.白菜がしんなりして量が減ったら、小麦粉を振り入れ、しばらく炒めてから牛乳を注ぎ入れる。
5.かき混ぜながら、とろみがつくまで煮る。
6.最後に塩・コショウで味を調え、好みで生クリームを入れる。(好みのチーズをすりおろして入れても風味がよい)
7.ゆでたてのスパゲティーに(6)のソースをからめる。

● 寒い夜は、からだを温める冬野菜のクリームソースでぽかぽかに!

(2004年2月号)


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