薬石花房 幸福薬局
トップページ > 中医学のすすめ − 中医学のはなし > 漢方薬と西洋薬の考え方の違い
カウンセリング室
電話
メール
ご予約フォーム
料金のご案内
Q&A
自分にあった漢方薬に出会うには?
住所 治療方針と薬局案内 スタッフのご紹介
中医学のすすめ
中医学のはなし
証をみるということ
現代日本における疲労倦怠感の証の特徴
花粉症に対する健脾利湿法の有効性
1)人のからだをどうとらえるか

私たちが生きている人間として存在するために絶対必要なものは、何でしょう。

まず必要なものは「体(からだ)」です。透明人間が空想の世界の存在でしかない以上、この世で生きていくためには肉体は絶対に必要です。しかし肉体だけでは、生きているとはいえません。死んで心臓の鼓動が止まっても、肉体はそこに存在しています。生きているためには肉体だけでは不十分です。

そこでもう一つ必要なものが「心(こころ)」です。心とは、精神・意識・思惟活動を含めた、人間の生命活動を意味します。私たちは、もちろん薬局・薬店を訪れる患者も、精密機械ではなく、心を持った生き物であることを忘れないでください。

私たち人間は、肉体と心が合わさって生きています。心は肉体に宿り、肉体は心があって初めて活動します。心と体はお互いに深く関係し合い、切り離して考えることはできません。

中医学では、この心と体の統一観を基本とし、この統一観を保つことで病気を予防し、元気で長生きできると考えます。これを「心身一如(しんしんいちにょ)」といいます。この考えを重視し、肉体の病気の原因に、心の影響を必ず考慮します。そして肉体の症状を改善すだけでなく、心身のバランスも調えることにより、病気の根本的な改善と再発防止を行います。

病は気から、といわれるように、過度の緊張や不安などの情緒変動により病気になることがよくあります。たとえば胃・十二指腸潰瘍の約8割が精神的なストレスが原因で発生します。その心の部分を快復させない限り、いくら潰瘍の薬を飲んでも根治せずに再発を繰り返します。中医学の特長は、人間本来の心の持ち方にも働きかけ、快復させることにあります。

一方、西洋医学では、「心身二元論」といわれるように、肉体と精神をまったく別のものとしてとらえます。たとえば胃の痛みは胃の痛みという症状としてのみとらえ、その背景にあるかもしれないストレスや不安については考慮しないのが基本です。この心身二元論に基づいて肉体を研究した結果、今日までに肉体の組織や生理機能をはじめ、さまざまなことが科学的に深く解明されてきました。しかし肉体だけを科学的に分析しても治らない病気が後を絶たず、最近では心の影響を考慮する心療内科などが注目されてきています。

以上のように、中医学は「人間」を対象とし、西洋医学は「人体」を対象とする医学、といえるでしょう。

2)生死についてどう考えるか

新しい生命は、生殖により誕生し、生長・発育し、そして老化して死亡します。その過程で生殖をして次世代を残し、生命の連続性が保たれます。このことは科学的に解明されており、西洋医学では生殖をもって生命の始まりとし、心臓の活動停止や脳死などをもって生命の終わりとします。

中医学でも生長・発育・生殖を生命の連続性の基本と考える点では同じです。しかし誕生については、人は父母の「気」を受けて生まれ、そして天地の気を受けて生長・発育すると考えます。そして気が肉体から離れたときに、人は死ぬと考えます。

気とは、生命活動を維持するための基本的な物質です。気が不足すれば元気がなくなったり、抵抗力や免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり病気が治りにくくなったりします。また気の流れが体内で滞っても病気になります。元気に長生きするには、気が不足しないように天地の気を取り入れ、また気のスムーズな流れを維持するために健全な精神状態を保たねばなりません。なお天地の気とは、太陽エネルギーと大地のエネルギー、さらにそれらのエネルギーを蓄積した穀物や豆類などの食べ物、そして漢方薬の原料である生薬類を意味すると私はとらえています。


したがって病気の改善や予防に際しては、ひとりひとりに対して、それぞれの不足した気を補い、滞った気の流れを調え、場合によっては過剰にある気を取り除きます。天然の生薬にはこのような働きが備わっていることが、長い歴史の中で証明されています。


All Rights Reserved. Copyright (c) Kofukuyakkyoku.