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体の内側からきれいになるって、本当に可能だと思いますか。
たとえばカサカサ乾燥した肌に対して、外側から乳液を塗るのではなく、皮膚の 内側から自然に潤うように体質を変える、あるいは ベトベト脂性の肌に対して、外側から脂とり紙でパタパタと脂分をとるのではな く、皮脂が過剰に分泌されないように体質を変える、などということ。
漢方には、それができます。体質を変えて体調を整えて体全体のバランスを調整 して、その結果お肌もきれい、髪もつやつや、気分も爽快、ということができるのが、漢方の特徴です。お肌の手入れをしたり、髪や地肌をいたわったり、という外側からのケアももち ろん大切ですが、それとは少し違うアプローチ、それが漢方です。漢方はからだの 中からきれいにする、とよくいわれるのは、そういうことです。
実際、漢方を始める人には、お肌の不調と自分の体調不良とが何かしら関係がありそう、と思って始める人が大勢いらっしゃいます。
たとえばAさん。生理前にニキビがひどくなり、とっても憂鬱。でもなんだか自分の体内のホルモンバランスとニキビの間に何かしらの関係があるような気がして漢方薬局に。漢方薬局では十分なカウンセリングののちに,ホルモンバランスを整える効果のある漢方薬を処方され、約4ヵ月後に不快なニキビから開放されました。この例など、ニキビが出るのを抑える薬ではなく、体内のホルモンバランスを整えることにより、結果的にニキビを改善しているのです。
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美容の「容」には、どういう意味があるか、ご存知ですか。ひとつは外見や形という意味、もうひとつは中身という意味です。容姿の容と、内容の容ですね。つまり美容とは、実は外見のみキレイになることではなく、中身も美しくなるということですね。美容=美しい内容、です。
実際に、中身の美しさと外見の美しさには、深い関係があります。たとえば精神的なコンディションが良くないと、ついイライラしやすくなったり、自分でも抑えられないほど不安に駆られたり、そしてその結果けわしく硬い顔つきになったり。
また内臓の調子が良くないと、たとえば胃の具合が悪くて口の周りやあごに吹出物ができたり、肝臓の機能が落ちてきてしみやそばかすが目立つようになったり、などなど。いずれにせよ、内臓や精神の状態の良し悪しが、ダイレクトに容姿のキレイに関係してくるわけです。
もうひとつ、キレイになりたい、キレイにならなきゃ、と狭い視野で考えてしまいがちですが、実際のところ、美人になることそれ自体が本当の目的かどうか、ということも大事です。簡単な例だと、美人になってモテたい、美人になって目立ちたい、さらに美人になって自信を持ちたい、人間関係を楽しいものにしたい、もっと明るい性格になりたい、仕事に集中したい、ストレスを減らしたい、・・・。つまり、本当の目的は、美人になることそれ自体ではなく、美人になって○○したい、という○○の部分なんですね。結論として、からだの内外両方がキレイにならないことには、顔のキレイや肌のキレイばかりを追い求めても結局むなしい、ということになるでしょうね。
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そこで漢方です。ご存知のとおり、漢方薬は自然の生薬を原料としています。その生薬に、人間の体内で崩れたバランスを整え、汚 れた血液をきれいにし、ホルモンのバランスを調整し、自律神経系の失調を改善し、免疫力を高め、ストレスに対する抵抗性を高めてくれる力が秘められているのです。
もちろん漢方薬を一口飲めば一夜にしてホルモンのバランスがパッと正常に戻る、というように、簡単にはいきません。大自然で太陽の光を浴びてゆっくり生長してきた生薬、その生薬に蓄えられたパワーが少しずつ、確実に人体の不調を改善してくれるのです。体のもとから改善してくれるのです。たとえばビタミン剤や栄養ドリンクのように、飲んでパッと元気になる、というのではなく、じわじわと自分のからだの中から元気がよみがえってくる、そんな感じです。痛みの例でいうと、飲んだときは痛みが治まるけど薬が切れるとまた痛みだすような一般の鎮痛剤とは違い、痛みの原因そのものを改善し、そのうち自然に痛みがなくなる、というのが生薬の効き方です。
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漢方にできることは、おもに四つ。それは、(1)補う、(2)捨てる、(3)サラサラ流す、そして(4)バランスを整える。
大事なのは、ひとりひとりの症状や体質に合わせて、という部分。必要な何かが足りない人には「補う」、なにか余分なものが体内で悪さをしている人には「捨てる」、など、ひとによって求められているものは千差万別なのです。そしてひとりひとりに何が必要かを見極めるのが、わたしたち漢方の専門家です。○○には△△が効く、という宣伝をよく見かけますが、そういう特効薬のようなものはありません。ひとりひとり、からだの中で必要とされているものは違うのです。当たり前です。ついついひ惹かれる気持ちも分かりますが、○○には△△が効く、には十分ご用心を。
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★ 漢方道・四つの必殺技 ★
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漢方の四つの必殺技について簡単に触れておきましょう。
- 「補う。」
たとえば十分な水分がお肌までいきわたらないと、肌は乾燥し、カサカサします。ひどくなるとかゆみを伴います。このような場合は、体表にまで十分な水分が届くように水分を補う生薬を飲みます。さらにいつでも水分をしっとりと肌まで運べる体質を生薬で作り上げれば、完璧。
ここで大事なことは、肌がカサカサ乾燥している→水分が足りない→水分を補おう→水をガブガブ飲もう、は大間違い、ということ。水をガブガブ飲んでも、水が胃にたまるだけ。十分な水分を肌まで運び補うことがポイントです。そういう力のある生薬を使えばいいのです。
- 「捨てる。」
たとえばダイエット。食べたものや飲んだものを体内に蓄積しやすい体質を、余分なものはさっさと「捨てる」体質に変換すればいいのです。もちろん食べ過ぎや運動不足は漢方でも治りませんが、食事のコントロールや適度な運動と並行して、「捨てる」体質を作る生薬を飲むと、いい具合に体質が改善されます。
ここで注意してほしいことは、食べる量を極度に制限して体重を落とそうとすることの危険性。普通のバランスの取れた食事の代わりにリンゴばかり食べてダイエットをするのも同じ。特に若い女性には、美しい肌や髪のため、そしてホルモンバランスのため、さらに将来の赤ちゃんのために、良質でバランスの取れた栄養は必須です。ちゃんとした食事を取りながらダイエットをしてください。そうしないと、体重は減ったけど体調が悪くなった、なんてことになりかねませんよ。
- 「サラサラ流す。」
たとえばつらい生理痛。特に生理が始まってからの生理痛が激しく、出血とともに痛みが軽くなっていくタイプの生理痛は、多くの場合、血液の流れと深く関係しています。このような場合は、血流をサラサラ流す生薬をしばらく飲んで、血行を改善してあげれば生理痛は軽くなるはず。毎回毎回鎮痛剤で痛みを抑えているだけでは、根本的な治療にはなっていないことをお忘れなく。
- 「バランスを整える。」
たとえば月経前症候群(PMS)。排卵後の黄体期に情緒不安定、意欲低下、乳房緊満感、食欲増進などが見られます。ひとりひとりカウンセリングをして詳しく話を伺わないと、その人のPMSの原因が何かは実際には分かりませんが、ホルモンバランスと関与している場合が少なからずあり、その場合はホルモン内分泌系のバランスを整える生薬を使ってPMSを改善します。病院では精神安定剤などによる対症療法が主流ですが、漢方で根本的な改善、この場合ですと「バランスを整える」生薬で体質を改善することも一法ですね。 |
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これから漢方の話を少しずつ、上記「漢方道の四つの必殺技」を中心にして展開していきますので、楽しみにしていてください。でも、それまで待てない、早く何とかしたい、という人は、早速漢方薬局でカウンセリングを受けるといいでしょう。良識的な漢方薬局ならば、必ずやあなたの悩みに応じてくれることと思います。
●ご参考までに、よくない漢方薬局の見分け方、お教えします。
流行に敏感な薬局。テレビで何か紹介されるとすぐにそれを店頭に並べる薬局。すでにお話したとおり、そんな特効薬はありません。ひとりひとりの体質や症状に合わせて漢方薬や生薬を勧めてくれる薬局のほう
が信頼できるでしょう。
スピーディな薬局。「あのう、ダイエットしたいのですが」「はいはい、じゃあコレ。一日3回飲んでください」「え、えっと、あと、生理痛もひどいんですが」「はいはい、じゃあコレも一緒に。あなた、血行が悪いのよ」・・・患者を一目見て、二言三言会話をしただけでその人の体質が分かるような天才は、めったにいません。現に、わたしもそんな人に会ったことありません。やっぱり、きっちりカウンセリングをしてくれるところ、ですね。
マニュアル薬局。生理痛、はい、いいえ。「はい」は右へ行って、肩こりは、はい、いいえ。「いいえ」は左に行って、という枝分かれ式のマニュアル、ありますよね。あれを頼りにしている薬局は、漢方の知識がないこと丸出しです。わたしたち人間のからだは、そんなに単純なものではありません。同時にその手の本にも要注意。素人には分かりやすいけど、正確でない場合が多いと思います。
最後に、いろいろと勧めてくれる親切な薬局。必要な漢方薬以外に高額な健康食品なども親切に勧めてくれる薬局もあります。もちろんその健康食品が必要な場合もあるでしょうが、高額な商品の販売を従業員のノルマにしているようなところもあります。見極めは容易ではありませんが、十分話を聞いてから判断してくださいね。
もちろん薬局の経営方針のことや、ただいま熱心に勉強途中という薬局もあり、一概に良い悪いは言えませんが、ひとつの目安として、参考にしてください。
● 今月の美肌薬膳はこれだ! ●
『ハトムギ茯苓入りのお粥 』
材料(2人分):
ご飯 茶碗1杯分
ハトムギ 20g
茯苓 20g
党参 10g
鶏がらスープ 2カップ
塩 少々
あさつき 適宜
作り方:
1. 鍋に鶏がらスープと生薬類(ハトムギ・茯苓・党参)を入れ、火にかける。
2. 生薬類が柔らかくなったらご飯を加え、お粥状になるまで弱火でコトコト煮る。
3. 塩で味を調えて、さらに2分ほど煮る。
4. 3を器に盛り、あさつきを散らす。
●ハトムギが肌の潤いをもたらし、茯苓が雨の多い季節に弱った胃腸の機能を整え、余分な水分を排泄し、党参とともに体に元気を与えてくれます。
(2002年8月号)
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